SPECIAL
キャストスペシャルインタビュー
―この7期第20話(No.158)「少女のエゴ」の物語を原作で読んだ時、どんな気持ちになりましたか?
来たるべき日として頭の端っこで想像はしていたはずなのに、堀越先生の絵でそれを現実として突きつけられた時、ただ呆然として、ごちゃごちゃな涙を流すことしかできませんでした。肯定と否定が自分の中でうずまいて、それでも出会わなければよかったとは思えず、ただただヒロアカとの、トガヒミコちゃんとの出会いに感謝しました。
―アフレコまでにどんなことを考え、そして当日はどんな想いで臨んだのでしょうか?
この回のアフレコが来なければいいのに、とずっと真綿で首を絞められているような感覚があって、でもすでに苦しみの最中にある彼女たちの時間を、歩みを絶対に進めてあげなくてはならないという使命感もあって、心がぐちゃぐちゃなままスタジオに到着しました。福圓さんとは通路をあけた隣の席に座りました。隣だけど確実に溝があるその距離感が一番心地がよくて、アフレコに集中することができました。
―福圓美里さんとの掛け合いをはじめ、アフレコ中にはどんなことを感じましたか?
ずっと泣いていました。収録中、台本の文字はほとんど見えなくなっていて記憶もほとんどありません。絵コンテのトガちゃんの顔だけが脳裏に焼き付いています。芝居というか、生きたという感覚が近かった気がします。容赦なくリテイクは飛んできた気がするのですが、あまり覚えていません。どのテイクがチョイスされたのか、私もオンエアでないと分かりません。休憩に入っては、先輩たちが「すごいね」「すごかったね」と労ってくれたことだけに安心感を覚えて、また台本に向き合って心を痛めて涙を流して…の連続でした。福圓さんはなぜかすっきりとした顔をして「綾音ちゃん、なんでそんなに泣くの」と笑っていて、それがまたしんどくて、アフレコが終わった後も街を歩きながらしばらくひとりで泣いていました。
―放送を待っているファン・視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
デクくんから始まったふたりの関係は、いつしかちいさな女の子ふたりの矜持のおはなしになっていきます。すべての想いをとりこぼさんとする、ヒーローとしてだけでないお茶子の人間性をどう表現したらいいか最後まで悩み抜きました。デクくんに影響を受けたちいさなふたりの、ひとつの結論をぜひ見届けてください。