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キャストスペシャルインタビュー

荼毘役 下野紘さん インタビュー 荼毘役 下野紘さん インタビュー

―荼毘は登場以来、本当に謎に包まれてきました。演じるにあたってどのようにアプローチしていましたか?


僕が初めて荼毘の収録をした時、彼が何を考え、何を目的としているのか、原作ですら明かされていませんでした。だから僕の中では、「謎で、意味深で、怪しい動きをしている男」という点しかなくて(苦笑)。原作が進んでいくうち、例えばホークスと対峙する瞬間や、荼毘自身の素性を僕自身知って、そこでグッと気持ちが上がったというか。5期や6期でのそういったシーンに向けて、「今はとにかく謎めいた雰囲気で」という一心でした。


―下野さんご自身、悪役というのは珍しいのではないでしょうか?


ほぼなかったですね。あっても小悪党(笑)。強い信念を持った強キャラの悪役というのは演じてきてなかったし、音としても、荼毘のような声色を使うこともありませんでした。だから、自分が声優として成長していくうえで荼毘を演じるのはいろいろと学ぶべきことがありますね。



―そして、いよいよ「ダビダンス」の放送を迎えました。アフレコ前はいかがでしたか?


本当に楽しみにしすぎていました(笑)。原作で読んで「おおっ!」と思って、コミックス(30巻)が発売されてからは何度も何度も声を当てていました。家の寝室や仕事部屋で、「ここどうしようかな?」って(笑)。これまで荼毘としてはずっと隠していたものがあって、自分としても感情を出したいけど我慢していたのもあるので。やっと解放できる!全部ブチまけられる!って、早く演りたくて仕方がなかったですね。


―荼毘にとっては、この「ダビダンス」で明かされた自分の素性と父エンデヴァーへの復讐心に尽きますからね。


これまで荼毘はとにかく自分を表に出さないようにしていたんだと本当に思います。その中で自分が積み上げてきた思い、練り上げてきた仕掛けを、このタイミングで全部出す。全面戦争編のシリアスな戦いの中で、「おお、いたいた」っていやに軽いノリで出てきて、荼毘自身いろんな思いはありつつも、あの瞬間は楽しくて仕方なかったんだろうなって思います。


―アフレコ当日を迎えて、収録中はいかがでしたか?


まず、テスト時点では、僕は憎しみを積み上げすぎていたところがあって。エンデヴァーや焦凍、全員にとにかくそれを伝えようとしたんですが、「そこだけじゃなく、もっと自分の内なる部分も演じるイメージで」というディレクションをいただいて。ただ憎しみだけじゃない、これでいろんなものをぶち壊せる、エンデヴァーにぶつけることができる“楽しみ”のような気持ちが内から出るようにと。その時も「なるほど…じゃあ、こんな気持ちだからこういう盛り上がりを見せてみようか…」と
一所懸命考えながら演じました。感覚的には“舞台”をやっているような気持ちで、声だけじゃなく全身で表現するような…。本当に、ただただ楽しかったですね。


―エンデヴァーに対して言葉を投げる声にすごく喜びがあふれていたようにも聴こえました。


悲しみや悔しさ、痛みや決意は冷静に語る一方で、エンデヴァーを前にした荼毘は彼を効果的に傷つけ苦しめることができることが楽しくて、嬉しくてしょうがない。そこも「演じ方をどう分けようかな、こうしようかな」と考えながら臨みました。それと、映像では荼毘が思っていた以上に踊っていて(笑)。それもあって「もっと楽しげに」というディレクションがあったのかもしれません。


―これまでの荼毘は抑えめなトーンで喋ることがほとんどでしたが、スイッチが入ったようにテンションが変わったように思えます。そのあたりの切り替えはいかがでしたか?


荼毘の中にはいろんな感情が存在しているから、僕の演じ方も何通りか選択肢があって、難しかったところはありました。だから、まずテストでは頭で考えながらも流れや映像に任せるところもあって。そこからディレクションを受けて、本番でテストとは違う選択肢を出したりしましたね。


―ご自身や収録現場での空気の中で作り上げていったんですね。今お話されている姿も楽しそうです。


何度も言いますが、すっごく楽しかったです(笑)。終わった後も「もっと違った演じ方があったかな」と考えたりもして…。オンエアを見て皆さんがどう感じるのか、楽しんでもらえるのか… 見てくださる皆さんにお任せしようと思います。ただ、個人的にはおもいきり楽しくやらせてもらえました。


―最後にヒロアカファン・視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。


「ダビダンス」をご覧いただきましてありがとうございました。僕自身、とにかく楽しく収録に臨ませていただきました。荼毘と、エンデヴァーこと轟炎司、そして轟焦凍との因縁が遂に明かされました。この3人のドラマ、戦いは今後もっともっと展開していきます。皆さんが感じた思いのまま、3人を見守っていただければ嬉しく思いますし、何よりヒロアカ6期は怒涛の展開が続いていきますので、これからも応援よろしくお願いします。

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