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キャストスペシャルインタビュー

緑谷出久CV 山下大輝 × 爆豪勝己CV 岡本信彦 スペシャルインタビュー 緑谷出久CV 山下大輝 × 爆豪勝己CV 岡本信彦 スペシャルインタビュー

―おつかれさまでした!収録はいかがでしたか?


岡本信彦(以下岡本)
まず、スタジオに入った瞬間から空気が違う感じがして。座席には前の列に僕らしか座ってなくて、どこか2人だけの空間が自然と作られていて、僕も「やってやるぞ」感がいつも以上にありました。


山下大輝(以下山下)
僕もです!「今日は信彦さんと2人でやるんだ!」という気持ちが強かったですね。



―今回放送される第61話は、第1期の第7話以来となるデクと爆豪の1対1のガチバトル回です。前回と比べていかがでしたか?


山下
全力しか出せなかったあの時からデクはすごく成長しているし、同じキャラを演じているんだけど、心構えから全然違います。あと、今回のお話はどちらかというとかっちゃんの方が追い詰められている状態だったというか…。


岡本
そうだね。そして、僕たちはテストの時にまず「絶対に勝ってやる!」という全開の気持ちでぶつかったんです。2人で特に話し合ったわけではなかったんですけど。


山下
そうそう、シンクロしていましたね。そうしたら…。


岡本
音響監督さんから、「もしかして2人とも、オールマイトとオール・フォー・ワンの戦いを見て、あれを目指そうとしてない?」って言われたんです。ぶっちゃけ言うとそのとおりだったんです。


山下
100%同士のぶつかり合い、意地の張り合いなんだ!と収録に臨んだんですが、それは違うと。2人で間違えました(苦笑)。


岡本
「爆豪にとってデクを介した自問自答なんだよ」という演出をいただきました。かっちゃんは、これまではいつも人に向かって言葉を投げるんです。今回もデクに答えがあると思っているからぶつけていると僕は思っていたんですけど、そうではなくて。これまでのかっちゃんが見せたことのない、「自分を痛めつける姿」を演じないといけない。これがすごく難しかったです。バトル中もこれまでみたいな叫びではないんです。声をガッて出したくなるんですけど、今回の戦う気持ちはそうじゃない。かと言って声を抑えるだけだとかっちゃんではなくなってしまうし、内面の気持ちだけでも何か出せればいいなと思って演じました。



― 一方のデクも、そんな爆豪を見るのは初めてだったと思いますが?


山下
そうですね。これまでTVアニメで60話デクを演じてきて、たくさんかっちゃんと相対してきましたが、あんなに落ち着いた声で話されることはありませんでした。あんな歯茎を見せないかっちゃんは見たことないです(笑)。僕としては、なんか痛々しくて、見てられないというか。最初は、デクはこの会話を早く終わらせたいという思いで、そこからバトルが始まって進んでいくにつれて「絶対に負けない!」という熱い気持ちになる、と思っていたんですが、ずっと「(爆豪を)どうにかしないといけない」という気持ちがあると演出をいただきました。


―爆豪の心を救わないといけない、というところでしょうか?


山下
はい。「僕がなんとかしなくちゃいけない!」という感じですね。ただ、その余計なお世話がかっちゃんからするとムカついてしょうがないんだと思います。でも、デクの根底はやっぱり「余計なお世話」=「ヒーローの本質」なんだなと再確認しました。でも、今回は本当に「かっちゃん回」でしたね。



―「かっちゃん回」?


山下
かっちゃんの苦悩だったり葛藤だったりが本当に色濃くて。デクは、いま順調な時期だと思うんです。オールマイトから「次は君だ」という言葉を受け取って、新しいスタイルも見つけて、仮免も取って、軌道に乗っている。それをかっちゃんも見ていますから。


岡本
デクに怒りをぶつけてもどうにもならないことは自分でもわかってるんです。でも他にどうしたらいいかわからない。それを自分にぶつけるんだけど、答えがわからない。その中で"何か"をぶつける対象がデクしかいない。ずっと「なぜ…!」しかないのって、すごく辛いと思います。演じていても辛かったです(苦笑)。



―その問いとバトルのきっかけがオールマイトでした。


岡本
オールマイトはかっちゃんの一番の憧れ。だからオールマイトが自分じゃなくてデクに"個性"を継がせたことにも「なぜ…」がある。「何で自分じゃないんだ?」って。雄英に入ってからも、一番認めてもらいたい存在がオールマイトなんだけど、まずデクがいる。この戦いも、結末は言えませんが、勝っても負けても「何で自分じゃないんだ?」という葛藤が消えないと思うんです。あと、戦いの後にかっちゃんの意外なセリフがあるんですが、そこからも「自分だって認めてほしい」という、子供っぽい一面が見えたと思いました。


山下
今回の収録で、かっちゃんもすごく等身大の少年なんだと思いました。いままでの「勝って勝って勝ち続ける」という信念も、内では本当に必死に頑張ってたんだ、って。かっちゃんという人間がより分かった気がしました。



―この戦いを経て、デクと爆豪の内面に変化はあるでしょうか?


山下
オンエアされる本編は、2人がものすごく動く激しいバトルに仕上がると確信していますが、バトルと言っても今回は内面をぶつけ合うドラマでした。その心のぶつかり合いを受けて、デクも「かっちゃんには負けたくない!」という気持ちが鮮明になって、それはオールマイトのような最高のヒーローを目指すうえで大事なものになると思います。


岡本
原作を読んだ時は、かっちゃんは何か憑き物が取れたと思ったんですけど、収録をしてみて、やっぱりまだ納得はしていない(笑)。ただ、デクはもちろん、もともと持っていた全盛期のオールマイトよりも上に行ってみせる、No.1になるんだという気持ちがより強くなった気がします。


―最後にオンエアを楽しみにしているファン・視聴者の皆さまにメッセージをお願いします。


山下
僕自身、原作を読んでいてすごく熱くなるエピソードでした。その原作の熱さだったり、2人の気持ちだったり葛藤だったりが、アニメになるとより生々しく痛烈に伝わるんじゃないかと思います。ぜひ2人のぶつかり合い、見届けてください!


岡本
「爆豪勝己:オリジン」の時も哀しく辛いシーンがあったんですが、今回はそれ以上にかっちゃんが苦しそうな姿を見せます。熱いバトル描写はもちろんですが、その中にある本人たちの葛藤を、さらに「PLUS ULTRA<プルスウルトラ>」する姿を、ぜひ見てもらえると嬉しいなと思います。



―ありがとうございました!

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